部屋が「寒い」と感じる原因は、室温だけでは決まりません。
「体感温度」が低ければ「寒い」と感じ、それが暖房機器を使用するキッカケとなります。
では、体感温度はどうやって決まるのでしょうか。
体感温度≒(表面温度+室温)÷2
体感温度を計算するためには、「室温」と「表面温度」の2つの要素が必要です。
「室温」はなんとなくわかりますよね。
「表面温度」とはいったいなんでしょう。
「表面温度」とは、室内の壁・床・天井の温度のことです。
下の図を見て下さい。
前回の記事に続き、Aは低い断熱レベルの住宅、Bは適切に断熱された住宅の例です。
外気温が0℃で室温が同じ20℃の場合、Aの表面温度は10℃、Bの表面温度は18℃と試算されます。
体感温度は、(表面温度 + 室温) ÷ 2 で算出されますので、当然表面温度が低い方が体感温度は低くなることになります。
A:低い断熱レベルの住宅
(表面温度10℃ + 室内温度20℃) ÷ 2 = 体感温度15℃
B:適切に断熱された住宅
(表面温度18℃ + 室温20℃) ÷ 2 = 体感温度19℃
室温が同じ20℃にもかかわらず、Aではさらに室温を上げようとするためにエネルギー消費が大きくなります。
結果、光熱費が増えていきます。
適切に断熱された住宅であれば、体感温度が下がらずに、「暖房機器のスイッチを入れようとする」ことが少なくなり、また温度も必要に上げようとはしなくなります。
よって、光熱費の削減に貢献できるということです。
なるべく暖房機器を使わないようにするためには、「室温」以上に「体感温度」が重要です。
適切に断熱されているか住宅であるかどうかで、「暮らしやすさ」は格段に向上します。
皆様の家づくりがよいものになりますように。
CAM設計:宮村陶太