以外と知られていない施工品質管理の問題
「建築士が現場で施工品質管理を行うので安心です。」
オープンシステム(分離発注方式)で建築する場合、工務店の「現場監督」ではなく、建築士(設計士)自らが現場で品質管理を行える権利を有することが、品質管理の上でとても重要であることを、メリットの一つとしてうたっています。
が、しかし、、、しかしですね。
お客様に全然伝わらないんです(涙
普通は、工務店の現場監督が品質管理を行うのであって、オープンシステムの場合は、その役を建築士が行うだけで、どっちも品質管理をする人がいるから変わらないじゃないか。
とまあ、そんな具合です。
しかし、現実は違います。
現実は違うんですよ!と言ったところで、あまり伝わりませんが。。。
これを代弁してくれた人がいます。
建築現場に強く、広い見識を持った方です。
小村直克氏です。
略歴を抜粋します。
京都府出身。大阪学院大学経済学部卒。1991年4月 株式会社エスバイエル【旧:小堀住研株式会社】入社。以降、建販商社に転職し、多くの建築会社との長年の取引を経て、2006年8月に株式会社NEXT STAGEを設立。2007年8月には、子会社として第三者住宅検査機関を法人化し、多くの建設現場の各種検査の実践を重ねるが、2013年には検査業務が品質向上には到底繋がらない限界を体験し、検査業務を閉鎖。現在、業界初の『住宅品質の安定と向上を具現化する唯一の施工品質コンサルティング企業』であるNEXT STAGE GROUPの代表として活躍中。(新建ハウジングより)
住宅建築を長年、そして幅広く見てこられ、且つ自身でも第三者住宅検査機関をされている方です。
そんな小村直克氏が書かれた記事がこちら。
「第1回 本質的な施工品質管理が置き去りに・・・」(新建ハウジング)
ざっくりとした内容は・・・
一、数十年に渡る、蔓延化した人的な作業委託傾向がある
一、大工や左官、現場管理者は大幅な減少傾向である
一、施工マニュアルの構築が急務である
一、第三者機関が評価できる部分を広げることが必要である
なんてことが書かれています。(多少解釈違いがあるか?w)
現場管理者が少ない現実
昨今の住宅業界は、ローコストがトレンドで、薄利多売型、多く棟数を早く建てる高速回転型が主流です。
ローコストということは、職人さんの工賃も安く、職人さんも多くの現場を高速回転させなければ経営が成り立っていかないものです。
そんな時におざなりにされるのはまさに「品質管理」です。
職人不足に加えて、現場を多く持たなければいけない現実、現場管理も一人で何十件も持たないといけない現実。
これが、品質管理に大きく影響してくるのは、住宅建築に限らずご理解いただけるものと思います。
建築士自らが現場で確認する意味
先日、沖縄県石垣市にて行われた、イエヒト全国大会。
元ゼネコンの現場監督で、現在は建築士である大匠設計さんが言っていた言葉を思い出します。
「オープンシステムは、より職人さんに設計の意図をダイレクトに伝えることができる。」
建築士は、その建物のゼロの段階から予算や要望、法律から構造、デザインから使い勝手など、ありとあらゆる要素を検討して、そしてそれらを全て把握している唯一の職種です。
お仕事としては、それらを設計図にまとめ、職人の建築説明書としてお渡しするのが一般的です。
オープンシステムでは、ここから更に一歩現場に踏み込みます。
職人さんと図面を用いて、施工方法の検討や品質担保の検討を行い、図面化した意図や経緯を話しながら、実際にそれらを作る職人さんに本当の意味での理解を得れるように説明をします。
また、その時点で意図や経緯を理解した職人は、それ以外のところでも、気づき、助言をしてくれたり、疑問を投げかけてくれます。
これが、最終的にはとても良い品質管理につながります。
建築士は設計が主な業務であり、大工さんのような施工のプロではありません。
同じように、大工さんは大工工事のプロであり、左官工事のプロではありません。
またまた、同じように左官さんは左官工事のプロであり、設計のプロではありません。
住宅建築に関わる全てのプロが、設計の意図と経緯を理解することで、それぞれのプロの視点から品質、デザイン、使い勝手を検討し、一緒に良い建物を建てていく。
これが、オープンシステムの真髄です。
また、そのまとめ役となる建築士は、お施主様と利害関係にないのが最大の特徴です。
高い建物を建てようが、安い建物を建てようが、私たちの業務報酬の増減に関わりません。
多少、面積によって価格が増減しますが、お客様の予算に合わせて工事を完了するためには、面積を意図的に増やすこともできません。
よって、オープンシステムでは、建築士がお客様の味方であり続けることができ、お客様の分身として、お客様の立場に立って発言することができます。
一括請負では、契約金額から自社の利益を引いた金額で工事を完了させなければならず、工事金額が低ければ低いほど、工務店に利益が残りますので、品質とは相反するところがでてきてもおかしくないのではないでしょうか。
まとめます。
近年の住宅建築のトレンド(ローコスト化)により、安い工賃で多くの現場を持たなければならない職人さんが激増し、担い手不足、後継者不足、高齢化が進んでいます。
同時に、現場管理者の数も減少傾向にあり、加えて、一人当たりの担当物件の数は増加傾向にあります。
よって、品質管理がおざなりになっていることは、建築現場を経験している方々誰しもが感じていることです。
オープンシステムは、建築士がゼロから構築した図面を元に、直接職人さんと打合せを行い、図面化した理由や経緯を説明しながら、より図面を理解してもらい、工事に関わる全てのプロからの意見を統合し、より品質の高いものが建てれる唯一の方法です。
オープンシステムは本当にお客様の立場に立って、コスト面と品質面の両方を追求できるものとなっています。
一般よりも安いコストで、より品質の高いものを建てたい方は、是非一度ご相談下さい。
それでは、今日はこのへんで。
ちゃお!
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