冷暖房を使わない!?今流行のパッシブデザインの住宅とは??
皆さん、こんにちは。
CAM設計の宮村です。
最近パッシブデザインという言葉をよく耳にするようになりましたね。
デザインという言葉が入っているので外観やスタイルのように受け取りがちですが、こちらはユニバーサルデザインと同じ意味、形態という意味合いを持ちます。
まず、パッシブデザインとは何なのかから見ていきましょう。
建築設計で快適な室内空間をつくりだす
パッシブデザインとは・・・
建築の設計手法の一。特別な機械装置を使わずに,建物の構造や材料などの工夫によって熱や空気の流れを制御し,快適な室内環境をつくりだす手法。(コトバンクより)
です。
自然の力を利用して、なるべく冷暖房機器を使用せずに、夏涼しく冬暖かい空間を作るための設計手法といえるでしょう。
パッシブデザインを施すためにはいくつかの手法がありますが、ここでは代表的な8つの要素を取り上げて見ましょう。
1.集熱
主に太陽の熱を室内に取り込み、またはさえぎって室内環境に生かします。
例えば、冬の日中に集熱して夜間の放熱を止めたり、夏は熱の進入を防ぐなど、熱の出入りをコントロールするための仕組みが必要です。
2.熱移動
輻射・伝導・対流などの現象で熱は移動することができます。
この原理を利用して、室内に熱を分配するための仕組みが必要です。
3.蓄熱
蓄熱は集熱した熱を蓄えることです。
日中は過熱を防ぎ、夜間は放熱することで均一な室内温度を保ちます。
4.排熱
夏の時期に暖かくなった空気を外に逃がす仕組みが必要です。
暖気は体積が膨張して軽くなるため、上昇する性質があります。
その性質を利用して外部に熱を放出し、室内に暖気が溜まらないようにします。
5.日射遮蔽
集熱とは逆に日射をさえぎることによって、室内の温度上昇を防ぎます。
太陽高度が7.夏には日射をさえぎり、太陽高度が低い冬場には日射を室内に取り込みます。
すだれや落葉樹、ヘチマやアサガオなどのグリーンカーテンも日射遮蔽の一つです。
6.通風
冬場は締め切り、暖気を逃がさず冷気を入れないこと。
夏場は風を通して熱を逃がすこと。
窓の配置を対角に置くことと、卓越風の取り込みが必要です。
※卓越風とはその地域でよく吹く方向からの風のことです。
7.採涼
日陰の涼しい場所から空気を室内に取り入れることで、蓄熱している壁などが冷やされます。
涼しい場所を確保することが必要です。
8.断熱気密
冬場は熱を逃がさず冷気を入れない。
夏場は熱を要れずに冷気を逃がさない。
そのためには隙間をなくす=気密化が必要です。
気密性は「C値」という値で表されます。
↑これ結構重要です。
評価制度もできつつあります。
このように、設計段階で冷暖房を使わずに室内環境を良くする工夫が考えられているのがパッシブデザインです。
でも、素人の方がこれはパッシブだ、これはパッシブじゃないと見分けるのも難しいですよね。
そこで、パッシブデザインの認定制度ができるようです。
業界初、パッシブデザイン認証制度を7月にもスタート(新建ハウジング)
これでパッシブであるかどうかが一目でわかるようになりますね。
結構特別視されていますが、設計事務所では結構前から当たり前にやってたこと(らしいです)。
世界的に大して住宅の省エネ化がとーーーーーっても遅い日本ですが、ようやく色々動き出してきた感があります。
今日はこのへんで。
皆様の家づくりが良いものでありますように。
CAM設計:宮村陶太
※この記事で使用した画像は環境創機株式会社様のホームページよりお借りいたしました。
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