長期優良住宅はなぜ優遇されるのか
熊本でも「長期優良住宅」を謳う住宅会社が増えてきました。
ホームページやCMでもバンバン流れていますね。
平成18年6月8日に「住生活基本法」が施行されて約9年。
ようやく建築主に浸透してきたと実感できるようになっています。
「長期優良住宅」というと、補助金や税制優遇に注目が集まりがちですが、なぜ政府が税金を使って「長期優良住宅」を促進するのかを考えるだけで、今までの日本の住宅業界の問題点が浮かび上がってきます
私見もありますが、今日はこのことについて書いてみたいと思います。
長期優良住宅を推し進めるの社会的背景
1.住宅ストック数は既に充足している
日本は人口、世帯数共に減少傾向である一方、住宅はそれ以上にストックされています。
「住む人」と「住むための家」の需要と供給のバランスは既に供給過多となっており、方針を転換する必要性があったのです。
2.「作っては壊す」の問題点
住宅の平均寿命はイギリスでは75年、アメリカでは44年。
これに日本では30年と極端に短い。
建築廃材の2割が住宅関連という点も加えておきます。
また、新築を購入するために、勤続期間の大半をかけて返済するような長期間のローンを組むのが一般的だが、「長期優良住宅」が普及すれば、一定の性能を有した中古住宅が新しい住まいを手に入れる選択肢となることができます。
その分、新築に必要なコストは節約することができ、その分他の消費に回せるという経済効果も見込んであるのです。
3.中古住宅の市場整備
現状では、中古住宅の性能や資産価値を担保する基準はなく、建築のプロでも判断することはとても難しい。
よって、買い手のリスクは大きく、中古住宅の流通が敬遠されている一つの理由になっています。
「長期優良住宅」が普及すれば、一定の基準をクリアした住宅であるとすることができるため、買い手のリスクは減少し、安心して中古住宅を購入することができるようになるのです。
このように、「長期優良住宅」が普及することによって、環境負荷と経済効果、中古住宅の市場活性化と多方面にわたり良い影響をもたらすことができると考えられています。
「長期優良住宅」を建てる人へメリットを与える
しかし、長期優良住宅を最初に建てる建築主には通常建てられている住宅よりも高い建築コストを負担してもらわなくてはなりません。
安心・安全で暮らしやすい住まいは手に入るのだが、「自分たちの代だけの住宅」を考えている建築主にとって、それはあまりメリットにはなりません。
これでは、長期優良住宅は普及することは難しいでしょう。
そこで政府は、補助金や税制優遇を行い、少しでも長期優良住宅を多くの方に建ててほしいとの願いで税金を投入しています。
「借金」から「資産」へ
また、長期優良住宅は住宅を「借金」ではなく、「資産」として考えることも可能になります。
今までの住宅は、築25年で資産価値はゼロに近い。
対して長期優良住宅では築25年で35%程度と言われています。
この「資産」をどのように活用するかは自由です。
病気や怪我、介護などの急激なライフスタイルの変化に備えるもよし。
子どもが独立することを機会に賃貸として貸すもよし、売却するもよし。
長期優良住宅は「住み変える」という選択肢も同時に手に入ることになります。
もちろん、そのまま3世代に渡っても暮らすことができますよね。
「長期優良住宅をご一考下さい」
長期優良住宅は、「長期に渡って安心・安全で暮らしやすい」という誰もが住宅に望んでいる要素を有することができ、加えて資産にもなります。
今なら補助金や税制優遇を利用して「お得」に建てることができるチャンスです。
この文章を読んで少しでも共感された方は、是非一度長期優良住宅をご一考いただければと思います。
決して損はしないと思いますよ。
皆様の家づくりが良いものでありますように。
CAM設計:宮村陶太
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