2015.01.19

長期優良住宅を考えていない人向け、気をつけて欲しいこと

最近、「長期優良住宅」をフィーチャーしたCMをよく見かけるようになりました。

 

 

 

長期優良住宅は、

1.耐震性

2.耐久性

3.維持管理の容易性

4.住戸面積

5.省エネルギー性

6.居住環境

7.維持保全

などの7項目等を審査し、それぞれの基準をクリアし、認定された住宅のことをいいます。

 

 

審査項目を見ればわかる通り、長期優良住宅を取得していれば、「安心・安全で暮らしやすい住宅であると認定されている」ことと同じ。

長い期間快適に暮らせる住まいである、と言えることができます。

 

 

 

長期優良住宅を選択しない人の意見

長期優良住宅でなくても良いという人もいます。

 

 

理由は・・・

1.必要だとは思わない

2.工事費用が高くなる

3.長期優良住宅自体を知らない

等々だそうです。

 

 

長期優良住宅が何なのかがわかっている人で、一度検討してみたいと思った方のほとんどが、「工事費用の高さ」が障害となっているようです。

 

 

確かに、審査項目をクリアするためには、それ相応の建材や建具、住宅設備機器を使用することが必須であり、それはいわゆる「ローコスト」向けの建材や建具、住宅設備機器ではありません。

結果、長期優良住宅を取得しようとすると、工事費(特に材料費)が高くなってしまいます。

予算内で希望を叶えるために、長期優良住宅化を諦めてしまう人も多くいるようです。

 

 

多くの人が「広さ」と「性能」の取捨選択をしている。

建築コストの変動要因で、一番大きな要素である「広さ」。

広くなればなるほど、使用する建材の量や基礎の面積は増加していき、増加した分だけ建築コストは高くなります。

多くの人が、広さを確保し、仕様を落すことで予算内に収まるように調整していきます。

外壁材のグレード、断熱材のグレード、トイレ・キッチン・システムバス・冷暖房などの住宅設備機器のグレードなど、様々なものを犠牲にして、広さを確保します。

 

 

外壁材のグレードを落せば、劣化しやすくなると考えて良いです。

断熱材のグレードを落せば、暑くて寒い家となり、エネルギーを多く使う住宅となります。

住宅設備機器のグレードを落せば、使い勝手や利便性を捨てることになります。

 

 

このように、「広さ」を確保するためには、様々なものを諦めてしまわないといけません。

そうまでしないと予算に追いつけないことが本当に多いのです。

 

 

実際に広い面積が必要なのか。

この部分については、一設計事務所所員として思うことがあります。

本当に広さは必要なのか?と。

 

 

実際に広さが必要な理由は・・・

1.狭苦しい・圧迫感がないように

2.広い方が気持ちが良い

3.収納が多くなる

などでしょう。

 

 

これは、「開放感がある家が気持ちが良い」、「箱が大きければその分のモノが入る」ということでしょう。

 

 

ここに僕は違う視点で考えている。

狭くても「視覚的に広く感じる」ことができれば、圧迫感は感じられない。

狭い方が、暖房の効きもいいし、省エネルギーだし、掃除も楽。

モノは持っていてもなかなか使わないものばかりだから、最小限のものにとどめておく。

逆に、使わないモノを保存するために数十万円も使いたくない。

 

 

とまあこんな感じである。

狭い(小さい)ことの弊害を乗り越えることができれば、できることは非常に増える。

「広さ」を正確に理解することで、多くの資金を節約することができるということである。

 

 

まずは、性能にお金を費やすことができる。

外壁は耐久性に優れたものにできる。(維持管理費がかからない)

断熱材は高性能なものにできる。(夏涼しく、冬暖かい暮らしやすい家)

住宅設備機器は利便性の高いものにできる。(省エネ、利便性の高い)

そして、長期優良住宅などの認定が受けられる。

 

 

長期優良住宅の認定を受けることができれば、住宅は「資産」になる。

いざという時に「中古住宅」として売買することになれば、住宅の性能が担保されている住宅とそうでない住宅は、需要や価格共に違いが出てくる。

長期優良住宅は資産価値を長く保つことができるのだ。

 

 

僕の結論

僕が家を建てるとすれば、「広さ」を追求しない。

「広さ」を確保するために、どれくらいお金がかかるか知っているからだ。

それより、「広さ」がもたらすメリット・デメリットを正確に理解し、「狭さ」のデメリット部分を解消する工夫を行い、考え方や住まい方を変え、それによって得られる金銭的メリットを性能に費やす。

そうすることで、安心・安全でとても暮らしやすい、且つ資産として考えられる住宅となる。

 

 

今回は長期優良住宅を取り上げたが、それが「低炭素住宅」でも、「住宅性能ラベル」でも何でも良い。

性能が担保することができる=安心・安全、暮らしやすさ、資産価値がついてくることを、理解して、再度建築計画をご一考いただきたい。

 

 

最終的な決定権は、言うまでもなく建築主だ。

しかし、判断を下すためには、理解が必要になる。

私たちは、情報をできるだけわかりやすく提供し、お客様の価値観と照らし合わせながら、きちんとナビゲートしたいと思っています。

 

 

皆様の家づくりが良いものでありますように。

CAM設計:宮村陶太

 

 

 

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