省エネ住宅義務化の経緯と現状
前回の記事で書いた通り、日本は2020年に住宅を新築する際には「省エネ住宅」であることが義務化されます。
なぜ、「省エネ住宅」であることが求められ、義務化されるのでしょうか。
それは、世界的に問題視されているエネルギー問題に起因します。
地球規模でのエネルギー問題
世界のエネルギー消費は増加を辿る一方です。
エネルギーを消費する際に発生するCO2による、地球温暖化。
そして、化石エネルギー資源の枯渇。
これは、地球規模でのエネルギー問題です。
しかし、エネルギー消費は減少していない。
だからといって、光熱費を気にしていては生活に我慢や制約が生じる。
それでは、根本的な解決にはなりません。
それでは、住宅はどのようにしてエネルギーを節約することができるのでしょうか。
キーポイントは断熱性能と高効率設備機器の使用
まずは、断熱性能を向上させることが重要です。
断熱性能が向上すれば、冷暖房機器の使用を極力抑えることができます。
そうすれば、当然エネルギー消費は抑えられ、また家計にもやさしい住まいになります。
また、住宅の部屋間の温度差がもたらす健康被害の抑止にもつながり、2次的ではあるが、国の医療費節約にも貢献するのです。
そして、高効率設備機器の使用を促進させること。
高効率設備機器は、少ないエネルギーで今までと同等、もしくはそれ以上の性能を発揮します。
よって、今までと同等の快適さを保ちつつ、省エネルギーな生活を送ることができます。
2020年の省エネ住宅義務化では、このどちらの要素も加味しないと基準をクリアすることが難しくなっています。
住宅省エネ化の現状
新築住宅の省エネ基準適合率は5割。
戸建て住宅の約4割を供給している大工・工務店では、省エネ基準適合率は2割~3割ほどと推定されます。
その主な理由は、「設計・施工が難しい」、「知識不足・情報不足」などの、省エネ技術の浸透の不十分さによるものです。
省エネ技術が一気に普及した契機が、「住宅エコポイント」。
省エネ性を高めることによって得られる「金額的メリット」(補助金)が市場を活性化させ、供給側も需要側の要望に応えるため、一気にその情報が浸透しました。
このように、需要と供給の相互関係が、供給側に技術習得を促すための唯一の方法だと言えるでしょう。
(参考資料:住宅省エネルギー技術施工技術者講習テキスト基本編)
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