2015.01.08

「やすらぎ、くつろげる家」に必須の性能2つ目

国交省が行った住まいに対してのアンケート調査。

その中の「自分にとって住まいとはどのような場所か」という質問事項で、91%の回答率を得た答え。

「安らぎ・くつろぎの場所である」。

前回の記事では、「安らげる」・「くつろげる」住まいにするために必要な要素である、「開放感」について書きました。

今回は、「安らげる」・「くつろげる」住まいにするための必須要素の2つ目、「断熱性能」について書きます。

安らぐ・くつろぐためには、快適な室温が必要

住まいの中で安らいだり、くつろいだりするためには、快適な室温でなければならない。

そのためには、断熱性能の高い家にすることがとても重要だ。

夏涼しく、冬暖かい家はとても心地よい家になる。

それでは、最近の断熱性能について見ていこう。

高気密高断熱は基本

2年前までにフィーチャーされていた「高気密高断熱」。

現在では断熱工事の基本中の基本となっています。

断熱工法、断熱材、サッシなどの選定が検討対象です。

基本的に気密性が高く、断熱性能が高いものがコスト高。

予算や優先順位によってどれくらい断熱性能を高めるかを決めましょう。

 

 

個人的には断熱性能の優先順位は一番高いと考えています。

室温が快適に保たれるので暮らしやすい。

省エネルギーなので、電気代が節約できる。

家の資産価値が上がるため、売却時の価格に跳ね返ってくる。

以上の3点が理由です。

 

 

高気密高断熱工法を採用する際に注意しておかなければいけない点もご紹介します。

高気密高断熱の家はやり方を間違えると「夏暑い家」になってしまいます。

そうならないためにも次の2つの点に注意してください。

1.通風設計がされているか

冷房を使用していない時間は、日射等で室内が暖まります。

しかし、高気密構造になっているため、暖気は外部に逃げることができず、室内に溜まってしまいます。

暖気を逃がすためには、窓を開け、空気を入替えることが効果的です。

そのためには、どこから風が吹き、どの方向へ抜けていくかを知らなければいけません。

そうでないと、窓を効果的に配置することができないからです。

その土地の、どの方角から風が吹き、どの方角へ抜けていくのか、そして頻度が最も高い風。

そのことを「卓越風」といいます。

卓越風をどのように室内に取り込み、どのように抜かすのかを考えれば、風通りのよい家となります。

夜間は、窓を開けるだけで涼しいとなれば、省エネにもつながりますね。

2.庇を使った「日射遮蔽」が計算されているか

夏は、室内が暖まらないように日差しをなるべく遮りたい。

冬は、室内が暖まるように日差しをなるべく取り入れたい。

年間で相反する希望を可能にするのが「庇」。

一般的には庇を900mm出すと、上記が可能となる。

最近では、デザイン性を優先的に考えた「庇がない家」を多く見受ける。

雨天時には、雨水浸入のリスクが高まり窓も開けられなくなる。

機能的な部分を優先するならば、庇は必ず取り付けたいところだ。

まとめ

住まいが「安らぎ・くつろぎの場所」になるためには、快適な室温を保つことがとても重要。

夏涼しく、冬暖かい家にするために、「高気密高断熱」の家にしたい。

しかし、高気密高断熱の家は、夏の暑さ対策が必要である。

通風設計と庇を取り入れた、高性能な設計も共に考えよう。

 

皆様の家づくりが良いものでありますように。

CAM設計:宮村陶太

 

 

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